私どもの理念
 私達の生活文化は、18世紀に始まった産業革命による工業化以来、目覚しい変貌を遂げてきました。しかしそのことは、デカルトの二元論に象徴されるように人間を「心」と「物(身体)」に分ける物質重視の文明の幕開けでもありました。21世紀に入った今、科学技術・医学・IT等などの分野と、かつて想像し得なかったような分野における技術の躍進、解明等が行われ始めています。それは、人間があたかも神になったかのような恐れさえ感じさせます。この事は、人が、人間の作り出したものに支配され、人間性と人間の心が置き去りにされかねないことでもあります。

 私達は、このような人間の作りだした環境の中で、人が、他の霊長類とは異なる素晴らしい心を持ち、人間にしかできない精神文化の歴史を持っていることを原点におき、物質文明と精神文化が融合し、人間性豊かな社会の到来に、役立ちたいものと考えています。私達が求めているのは快適に、健康で安心して心の充足を感じられる社会です。今の社会は多分に唯物史観と欲望に支配され、その環境が私達の心を痛めつけたりして、犯罪の悪質化、人間同士の対立等を増幅しています。

 私達は、こうした社会が、明るく、人間性豊かな、ゆとりのある、本質を尊ぶ共鳴し合うコミュニティの創生によって変わっていくことに希望を託しています。そのためには、私達自身が自らの資質、即ち、教養、文化度を高め、知識・知恵を相互に交換し、知性・理性に磨きをかけ研鑚し合う場が必要であると考えます。そのために、情報を共有し、共生できる「知の市庭(*)」という自己学習の場を提供し、それに沿った諸活動を展開してゆくものです。

理念三ヶ条
1.市が立つ   知の萌芽   考える、学ぶ
2.市に集う   知の交歓   共に生き、 交わる
3.市の極み   知の奉仕   与える、広げる
(*):「市庭」は中世の頃、物と物とを交換・売買する市場のことを指し、神聖な場所と考えられていました。私共は、人は自ら進んで生涯勉学し、自己向上、自己実現を図りたい願望を持った存在であることを真摯に受け止めたいと考えています。そこで、私共の組織をその願いを込めて「知の市庭」と命名いたしました。


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